規約原本と原始規約           

      2018/06/07

☆ マンション標準管理規約72条

これは、「規約原本」の取扱いに関する規定です。

要約すると、『区分所有者全員が記名押印した「規約原本」(1項)を理事長が保管し、利害関係者からの閲覧請求に応じなければならない(2項)』ということになります。

☆ 規約原本と原始規約

規約原本」とは、「現に有効な規約」のことです。

よって、規約を改正した場合は、規約改正後の現に有効な規約が「規約原本」となるわけです。

けっして、新規分譲マンションを購入したときの「分譲業者が作成した規約案を区分所有者全員が承認する」旨の承認書が付けられた規約を「規約原本」とするのではありません。

この新規分譲のときの規約を「原始規約」と呼んでいます。

もちろん、規約改正が行われるまでは、「原始規約」を「規約原本」扱いするわけですが…

では、規約を改正した場合、72条1項のとおりに、区分所有者全員が記名押印した規約を新たに作成する必要はあるでしょうか?

規約を改正する場合は、総会で承認を諮ることになります。

この場合は、総会承認をもって「現に有効な規約」となるので、区分所有者全員が記名押印した規約を新たに作成する必要ないと考えられます。

そこで規約を改正した場合の「規約原本」ですが、改正の分量によって以下のように考えればよいでしょう。

規約改正には、①全面的に改正する(改正部分が多岐にわたる)場合 と ②一部を改正する場合 があります。

①の全面的改正の場合 理事長及び改正を承認した総会に出席した区分所有者2名が署名押印した新たな規約を1冊つくり、これに総会議事録をセットにしたものを「規約原本」として保管する。
②の一部改正の場合 既存の規約原本(現に有効な規約)に、規約改正を承認した総会議事録(理事長及び総会に出席した2名の区分所有者の署名押印入りの議事録)をセットにして保管する。

☆ 規約によるマンションの評価

本年4月1日から、宅建業法に基づく建物状況調査(インスペクション)制度が始まりました。

この制度は建物のハード面を調査するもので、中古物件の流通を促進する(購入者に安心して物件を購入してもらう)ことを目的とするものですが、分譲マンションの場合は、ハード面と並んで管理組合の運営というソフト面が非常に重要であることは言うまでもありません。

不動動産業者や購入者は、管理組合の運営の基礎となる規約によっても、そのマンションを評価する一面があるということを知っていただきたいと思っています。…END

 

 

 

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