設計監理者は管理組合のパートナー!?

      2018/06/07

管理組合のパートナー

大規模修繕工事の解説書などには、工事の準備段階でよく「管理組合のパートナー選出」がうたわれていますね。

この「パートナー」とは何者でしょうか? 解説書によっては、コンサルタントと呼んだりするので非常に分かりにくいですよね。

※当ブログの過去記事でも「コンサルタント」で解説していました! スミマセン!

大規模修繕工事(4)コンサルタント選定のポイント

そこで、この場合の「パートナー(コンサルタント)」ですが

大規模修繕工事という事業を実施する管理組合(特に企画・運営を行う理事会や修繕委員会)が行うべき業務に関して、合理性・公正性・透明性を満たす「お膳立て(工事方式の選定方法・施工業者の選定方法・管理組合の合意形成手順の説明等)」を行うとともに、工事に関連して管理組合に出入りする設計事務所(建築事務所)・工事会社などの関係者と、管理組合との「交通整理役(意思疎通の補助等)」を行うなどして、役員や修繕委員の心身の負担を最小限に抑えつつ、事業の完遂をサポートする者

ということになります。長いデスね…

さて、ここで勘違いしがちなことがあります。それは、設計監理方式で大規模修繕工事を行う場合、

「設計監理業務を行う者がパートナーになる。」

という勘違いです。

設計監理者が行う業務は、建物劣化診断に基づいて修繕設計を行い、設計どおりに施工が行われているかどうか監督することですね。いわば、工事の当事者そのもの。修繕設計業務と施工監理業務を完遂する責任がある当事者であり、その立場は施工業者と変わらないのです。管理組合からすると、きちんと設計してもらわないといけないし、きちんと工事の監督をしてもらわないといけないわけです。

ということは、管理組合のパートナーたり得るのは、設計・施工の当事者ではない第三者である必要があるということです。

確かに設計監理者は建築のスペシャリストですし、管理組合にとって頼りになる存在です。しかし、大規模修繕工事の実施において、第三者性が強く求められているという事情をしっかりと認識すれば、設計監理業務と工事全体のコンサルタンティング業務を同一人に依頼することはできないということになります。

国土交通省は2017年1月に、マンションの大規模修繕工事の発注等に関して以下の問題事例をあげて、注意を呼びかけています。

「最も安価な見積金額を提示したコンサルタントに業務を依頼したが、実際に調査診断・設計等を行っていたのは、ある施工会社の社員であった……」
「設計会社が、施工会社の候補5社のうち特定の1社に便宜をはかり、その会社を内定。その事実が発覚し、その設計会社は辞退。別の設計会社と契約し直したところ、辞退した設計会社の作成した工事項目や仕様書に多数の問題点が見つかり、作り直しとなった……」

このことは、大規模修繕工事の発注方式において、比較的安心感があるとされてきた「設計管理方式」であっても、設計監理者は管理組合にとって必ずしも「善意の第三者」ではなく、すべてを「おまかせ」状態にしてはならないということを意味しているのでしょう。

大規模修繕工事におけるマンション管理士のパートナー業務

最後に、大規模修繕工事におけるマンション管理士が果たす役割ですが、

管理組合の最大の事業である大規模修繕工事について、合理性・公正性・透明性を満たす「お膳立て」を行いつつ、工事に関連して出入りする設計事務所・工事会社などの関係者と管理組合との「交通整理役」を行うことにより、役員や修繕委員の心身の負担を最小限に抑えつつ、事業の完遂をサポートする

ということになります。まさに「パートナー」ということになりますね。

それでは、また… END

 

 

 

 

 

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