住宅宿泊事業(新法民泊)関係者のお仕事

      2017/09/17

前回は、新法民泊と従来型民泊の比較と住宅宿泊事業法で用いられる用語(定義)についてまとめました。

★過去記事 『マンション管理組合は、新法民泊と従来型民泊の違いを理解して早めの合意形成を!』

今回も、引き続き住宅宿泊事業法に基づく民泊の仕組みついて、まとめてみたいと思います。

 

★住宅宿泊事業法フロー図(観光庁HP「概要」)

 

(1)住宅宿泊事業者の業務

※条文番号は住宅宿泊事業法の番号です。

届出 都道府県知事または市町村長への届出 3条
主な業務   宿泊者の衛生の確保

住宅宿泊事業者は、各居室の床面積に応じた宿泊者数の制限定期的な清掃その他の宿泊者の衛生の確保を図るために必要な措置講じなければならない。

5条
宿泊者の安全の確保

住宅宿泊事業者は、非常用照明器具の設置避難経路の表示その他の火災・災害が発生した場合における宿泊者の安全の確保を図るために必要な措置を講じなければならない。

6条
外国人宿泊者の快適性と利便性の確保

住宅宿泊事業者は、設備の使用方法に関する外国語を用いた案内移動のための交通手段に関する外国語を用いた情報提供その他の外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保を図るために必要な措置を講じなければならない。

7条 
宿泊者名簿の備え

宿泊者名簿を備え、都道府県知事の要求があったときは、これを提出しなければならない。(記入項目は、宿泊者の氏名、住所、職業など)

8条 
周辺環境への悪影響防止のための説明

住宅宿泊事業者は、宿泊者に対し、騒音の防止のために配慮すべき事項その他の届出住宅の周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項について説明しなければならない。

なお、外国人宿泊者に対しては、外国語を用いて説明をしなければならない。

9条
苦情などの処理

住宅宿泊事業者は、届出住宅の周辺地域の住民からの苦情及び問合せについては、適切かつ迅速にこれに対応しなければならない。

10条 
住宅宿泊管理業務の委託

住宅宿泊事業者は、次のいずれかに該当するときは、当該届出住宅に係る住宅宿泊管理業務を住宅宿泊管理業者に委託しなければならない。

1. 届出住宅の居室の数が、一定の居室の数を超えるとき

2. 届出住宅に人を宿泊させる間、不在となるとき(⇒家主不在型)

但し、住宅宿泊事業者が自己の生活の本拠として使用する住宅と届出住宅との距離その他の事情を勘案し、住宅宿泊管理業務を住宅宿泊管理業者に委託しなくてもその適切な実施に支障を生ずるおそれがないと認められる場合を除く。(⇒家主不在型であっても管理業者への委託が不要なケース)

11条 
宿泊サービス提供契約の締結の代理等の委託

住宅宿泊事業者は、宿泊サービス提供契約(宿泊者に対する届出住宅における宿泊のサービスの提供に係る契約をいう。)の締結の代理又は媒介を他人に委託するときは、住宅宿泊仲介業者又は旅行業者に委託しなければならない。

12条
標識の掲示

住宅宿泊事業者は、届出住宅ごとに、公衆の見やすい場所に、標識を掲げなければならない。

13条
 主な監督・罰則規定   業務改善命令

都道府県知事は、住宅宿泊事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、住宅宿泊事業者に対し、業務の運営改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

15条
 業務停止命令

都道府県知事は、住宅宿泊事業者が法令又は命令に違反したときは、1年以内の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。

16条1項
業務廃止命令

都道府県知事は、住宅宿泊事業者が法令又命令に違反した場合であって、他の方法により監督の目的を達成することができないときは、住宅宿泊事業の廃止を命ずることができる。

16条2項
報告徴収と立入検査

都道府県知事は、住宅宿泊事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、住宅宿泊事業者に対し、その業務に関し報告を求め、又はその職員に、届出住宅その他の施設に立ち入り、その業務の状況、設備、帳簿書類その他の物件を検査させ、関係者に質問させることができる。

17条
虚偽の内容で届出をした場合

6月以下の懲役または100万円以下の罰金

73条1号
宿泊者名簿を備え付けなかった場合

30万円以下の罰金

76条2号

 

分譲マンションで住宅宿泊事業を行う場合、

(管理規約で住宅宿泊事業の実施が認められていることが前提ですが)

共用部分に関係する部分については、管理組合への何らかの関与が必要になります。

周辺環境への悪影響防止のための説明では、

住宅宿泊事業者である区分所有者には、管理規約・使用細則上のルールを説明し、宿泊者にそれを守ってもらう責任が発生します。

もしルールが守れない場合の苦情などの処理も、

住宅宿泊事業を行う区分所有者がしっかり行わなければなりません。

また、標識の掲示については、

共用部分に設置することになるので、管理組合との事前協議が必要になるでしょうし、

民泊に関する細則の制定も考えていかなくてはならないでしょう。

 

(2)住宅宿泊管理業者の業務

※条文番号は住宅宿泊事業法の番号です。

登録 国土交通大臣の登録

住宅宿泊管理業を営もうとする者は、国土交通大臣の登録を受けなければならない。

登録は、5年ごとにその更新を受けなければその効力を失う。

22条
主な業務 5条~10条に規定する住宅宿泊事業者が行うべき業務の代行

(宿泊者の衛生・安全の確保、外国語による情報提供、宿泊者名簿の備え、周辺地域への説明、苦情対応)

36条
従業者証明書の携帯

住宅宿泊管理業者は、その業務に従事する使用人その他の従業者に、その従業者であることを証する証明書を携帯させなければ、その者をその業務に従事させてはならない。

37条
帳簿の備え付け

住宅宿泊管理業者は、その営業所又は事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え付け、届出住宅ごとにこれを保存しなければならない。

38条
標識の掲示

住宅宿泊管理業者は、その営業所又は事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、標識を掲げなければならない。

39条
管理受託契約の締結前の書面の交付

住宅宿泊管理業者は、管理受託契約を締結しようとするときは、委託者に対し、管理受託契約を締結するまでに、管理受託契約の内容及びその履行に関する事項について、書面を交付して説明しなければならない。

33条
管理受託契約の締結時の書面の交付

住宅宿泊管理業者は、管理受託契約を締結したときは、委託者に対し、遅滞なく、一定事項を記載した書面を交付しなければならない。

34条
主な禁止規定 名義貸しの禁止

住宅宿泊管理業者は、自己の名義をもって、他人に住宅宿泊管理業を営ませてはならない。

 

30条

 

誇大広告等の禁止

住宅宿泊管理業者は、その業務に関して広告をするときは、住宅宿泊管理業者の責任に関する事項その他事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。

31条
住宅宿泊管理業務の再委託の禁止

住宅宿泊管理業者は、住宅宿泊事業者から委託された住宅宿泊管理業務の全部を他の者に対し、再委託してはならない。

35条
主な監督・罰則規定  業務改善命令

国土交通大臣または都道府県知事は、住宅宿泊管理業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、住宅宿泊管理業者に対し、業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

41条
業務停止命令、登録取り消し

国土交通大臣は、住宅宿泊管理業者が一定事項に該当するときは、その登録を取り消し、又は1年以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

42条
報告徴収と立入検査

国土交通大臣または都道府県知事は、住宅宿泊管理業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、住宅宿泊管理業者に対し、その業務に関し報告を求め、又はその職員に、住宅宿泊管理業者の営業所、事務所その他の施設に立ち入りその業務の状況、設備、帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

45条
未登録や不正登録、名義貸しをした場合

1年以下の懲役または100万円以下の罰金

72条
誇大広告、不当な勧誘、帳簿の未備え

30万円以下の罰金

76条5号~7号
廃業の未届けや虚偽の届出

20万円以下の科料

 79条

 

賃貸用に専有部分を所有している区分所有者であれば、今後、住宅宿泊事業に利用しようと考える区分所有者も増えてくるのではないでしょうか。

この場合、その部屋の管理を住宅宿泊管理業者へ委託をすることになります。

この管理業者と管理組合との関係についても、細則への規定など、新たな取り決めが必要になると思われます。

 

(3)住宅宿泊仲介業者の業務

※条文番号は住宅宿泊事業法の番号です。

 登録  観光庁長官の登録

観光庁長官の登録を受けた者は、住宅宿泊仲介業を営むことができる。

登録は、5年ごとにその更新を受けなければその効力を失う。

 46条
 主な業務 住宅宿泊仲介業約款の届出

住宅宿泊仲介業者は、宿泊者と締結する住宅宿泊仲介業務に関する契約に関し、住宅宿泊仲介業約款を定め、その実施前に、観光庁長官に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 55条
住宅宿泊仲介業務に関する料金の公示

住宅宿泊仲介業者は、その業務の開始前に、宿泊者及び住宅宿泊事業者から収受する住宅宿泊仲介業務に関する料金を定め、これを公示しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

住宅宿泊仲介業者は、公示した料金を超えて料金を収受してはならない

 56条
住宅宿泊仲介契約の締結前の書面の交付

住宅宿泊仲介業者は、住宅宿泊仲介契約を締結しようとするときは、宿泊者に対し、住宅宿泊仲介契約を締結するまでに、住宅宿泊仲介契約の内容及びその履行に関する事項について、書面を交付して説明しなければならない。

59条
標識の掲示

住宅宿泊仲介業者は、その営業所又は事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、標識を掲げなければならない。

60条
主な禁止規定 名義貸しの禁止

住宅宿泊仲介業者は、自己の名義をもって、他人に住宅宿泊仲介業を営ませてはならない。

54条

 

違法行為のあっせんの禁止

住宅宿泊仲介業者又はその代理人、使用人その他の従業者は、その行う住宅宿泊仲介業務に関連して、法令に違反する行為を行うことをあっせんする等の行為をしてはならない。

58条
 主な監督・罰則規定       業務改善命令

観光庁長官は、住宅宿泊仲介業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、住宅宿泊仲介業者に対し、業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

61条
 業務停止命令、登録取り消し

観光庁長官は、住宅宿泊仲介業者が一定事項に該当するときは、その登録を取り消し、又は1年以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

62条
 報告徴収と立入検査

観光庁長官は、住宅宿泊仲介業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、住宅宿泊仲介業者に対し、その業務に関し報告を求め、又はその職員に、住宅宿泊仲介業者の営業所若しくは事務所に立ち入り、その業務の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

66条
 未登録や不正登録、名義貸しをした場合

1年以下の懲役または100万円以下の罰金

72条
約款の未届け、不当な勧誘、料金の過徴収

30万円以下の罰金

76条
廃業の未届けや虚偽の届出

20万円以下の科料

79条

住宅宿泊仲介業者が、直接、管理組合の運営に関わってくることはないと思われますが、

改正標準管理規約第12条コメント④では、

住宅宿泊事業の実施そのものだけでなく、その前段階の広告掲載等をも禁止する規定の例が示されています。

これは、インターネット広告が主流の民泊において、ネット広告に掲載すること自体が規約違反になるので、民泊禁止マンションでは有効な規定になることでしょう。   

...END

 

 

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