外部専門家の活用に関するマンション標準管理規約の改正(5・終)

      2017/09/28

前回に引き続き、外部専門家の活用に関するマンション標準管理規約の平成28年改正についてまとめていきます。

今回は、41条です。

☆ 平成28年改正マンション標準管理規約「外部専門家の活用」規定一覧

全般関係コメント③ 外部専門家の活用に関する総合的な考え方を明記
35条 役員 外部専門家を役員に選任できることとする場合の定めの新設
36条 役員の任期 外部専門家を役員に採用する場合の役員資格喪失の定めの新設
36条の2 役員の欠格条項 役員の欠格条項の定めの新設
37条 役員の誠実義務等 財産毀損防止の措置・報酬支払時の留意事項のコメント追記
37条の2 利益相反取引の防止 利益相反取引の防止の定めの新設
38条 理事長の職務 理事会への報告の定め・利益相反事項に関する代表権の定めの新設
39条 副理事長 (変更なし)
40条 理事 理事の監事に対する報告義務の定めの新設
41条 監事 監事の権限の明確化のための定めの新設
別添1 外部専門家の活用パターンごとの解説

 

☆ 41条 「監事」

改正前の標準管理規約41条は、監事の役割について2項までしかありませんでしたが、

改正後の41条は5つ増えて、第7項までボリュームアップしました。

それだけ監事の役割が増したということになります。

監事)第41条

1 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告しなければならない。

〔新設〕

2 監事は、いつでも、理事及び第38条第1項第二号に規定する職員に対して業務の報告を求め、又は業務及び財産の状況の調査をすることができる

3 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。

〔新設〕

4 監事は理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない

〔新設〕

5 監事は、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき

又は法令、規約、使用細則等総会の決議若しくは理事会の決議に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、

遅滞なく、その旨を理事会に報告しなければならない

〔新設〕

6 監事は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、

理事長に対し理事会の招集を請求することができる

〔新設〕

7 前項の規定による請求があった日から5日以内に、

その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合は、

その請求をした監事は理事会を招集することができる

改正前標準管理規約は、監事の役割として、

  • 1項:管理組合の業務執行・財産状況の監査及び総会への報告
  • 3項:臨時総会招集権

を定めていました。これらに加えて、H28年改正では、

  • 2項:理事等に対する業務報告請求権と調査権
  • 4項:理事会への出席と意見陳述の義務化
  • 5項:理事に不正行為等がある場合の理事会報告義務
  • 6項:理事に不正行為等がある場合の理事会招集請求権
  • 7項:6項による理事会が不開催の場合の理事会招集権

が新設されました。

さらに条文に関するコメント(解説)も新設されています。

第41条関係コメント

① 第1項では、監事の基本的な職務内容について定める。

これには、理事が総会に提出しようとする議案を調査し、その調査の結果、法令又は規約に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときの総会への報告が含まれる。

また、第2項は、第1項の規定を受けて、具体的な報告請求権と調査権について定めるものである。

② 第4項は、従来「できる規定」として定めていたものであるが、

監事による監査機能の強化のため理事会への出席義務を課すとともに、必要があるときは、

意見を述べなければならないとしたものである。

ただし、理事会は第52条に規定する招集手続を経た上で、第53条第1項の要件を満たせば開くことが可能であり、

監事が出席しなかったことは、理事会における決議等の有効性には影響しない。

③ 第5項により監事から理事会への報告が行われた場合には、理事会は、当該事実について検討することが必要である。

第5項に定める報告義務を履行するために必要な場合には、監事は、理事長に対し、理事会の招集を請求することができる旨を定めたのが、第6項である。

さらに、第7項で、理事会の確実な開催を確保することとしている。

今回、監事には理事会への出席義務が課されましたが、だからといって理事会と一体化してはいけません。

監事の職務は理事会からの独立性が必要であり、まして監事は理事と兼任することはできないと解されています。

 

☆ まとめ

ここまで、外部専門家の役員選任に関する標準管理規約に改正項目についてまとめてきました。

外部専門家を役員として選任するためには、まずは役員資格に関する標準管理規約35条を改正し、組合以外の外部者を役員に選任できるようにします。

同時に、区分所有者以外の外部者が管理組合内部に入ることを前提とした、役員の欠格条項・利益相反取引の防止規定・監事の監査機能の強化規定等を盛り込むことを検討していきます。

しかし、何よりも先に検討すべきは、外部専門家を役員として管理組合内部に入れてまで活用する必要性があるかどうかです。

まずは自分たちで管理組合を運営すること。

自分たちだけで不安なときは、相談、助言、指導その他の間接的な援助を専門家に求めて下さい。

それでも、自分たちだけではできない、管理運営に困窮するような場合に初めて、外部専門家の役員選任制度を活用する、そのような意識をもって管理運営を行って頂きたいと思います。

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