知っておきたい震災時の4つの被害判定

      2017/09/06

震災でマンションが被災した場合、その被害状況を判定するため複数の調査が行われます。マンションを復旧するためには正確な被害状況を把握しなければ、修繕でいいのか、建て替えが必要なのか判断できません。それぞれの調査の目的等を押さえておきましょう。

1.判定の種類(主要なもの4つ)

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2.各判定・調査の内容

➀ 応急危険度判定

地震直後、早急に、余震等による被災建築物の倒壊、部材の落下等から生ずる二次災害を防止するとともに、被災者がそのまま自宅にいてよいか、避難所へ避難したほうがよいかなどを判定するために市町村が行う調査。

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判定するのは、市町村から派遣された応急危険度判定士です。

注意して欲しいのは、この判定は「り災証明」のための調査や、被災建築物の恒久的使用の可否は判定するなどの目的で行われるものではないことです。あくまで、余震等による二次被害を防ぐことが目的です。

判定結果の紙が建物の見やすい場所に貼られます。

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② 被害認定調査

「り災証明」発行のための調査

被災者生活再建支援法等による被災者への各種の支援施策や、税の減免等を被災者が申請するにあたって必要とされる家屋の被害程度を、市町村長が証明するもの。

マンション管理組合の場合は、共用部分の「り災証明」のため、管理組合理事長が申請することになります。

※ 熊本地震では、当初、管理組合としての申請を受け付けてませんでしたが、後日、申請が受理されるようになりました。

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③ 被災度区分判定

被災建物の復旧のために、より技術的に詳細な被害調査を行い、適切な補修と構造強度を回復するための判定です。この判定は任意のもので有料(50万円~200万円程度)となりますが、今後のマンションの補修計画のためには重要な判定となります。

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④ 地震保険損害調査

管理組合が地震保険をかけている場合は、当該保険会社の調査員が現地調査を行います。建物の構造材の損傷を主に調査し、躯体外の構造材は対象にならな場合もあります。

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3.追記 (2017年9月6日)

災害に係る住家の被害認定基準運用指針 平成21年6月内閣府(防災担当)より

応急危険度判定は、大規模地震の直後に一般的に実施されるが、これは建築の専門家が余震等による被災建築物の倒壊危険性及び建築物の部分の落下の危険性等を判定し、その結果に基づいて当該建築物の当面の使用の可否について判定することにより、二次的災害を防止することを目的とする。

したがって、落下物の除去等、適切な応急措置が講じられれば判定(被害認定調査)が変更されることもあり得る。すなわち、応急危険度判定で「危険」と判定された住家が、必ずしも全壊又は半壊と認定(被害認定調査)されるとは限らない。

被災度区分判定は、建築主の依頼により建築の専門家が被災した建築物の損傷の程度及び状況を調査し、被災度区分判定を行うことにより、当該建築物の適切かつ速やかな復旧に資することを目的とする。

すなわち、被災建築物の損傷の程度、状況を把握し、それを被災前の状況に戻すだけでよいか、またはより詳細な調査を行い特別な補修、補強等まで必要とするかどうかを比較的簡便に判定しようとするものである。

被害認定調査は、災害による個々の住家の「被害の程度」を判断することを目的とするものであり、応急危険度判定及び被災度区分判定とはその目的、判定基準を異にするものである。

目 的
応急危険度判定 建築物の当面の使用の可否について判定することにより、二次的災害を防止すること
被害認定調査 災害による個々の住家の「被害の程度」を判断すること
被災度区分判定 建築物の適切かつ速やかな復旧に資すること

 

 

 

 

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