団地の管理(1) ~区分所有法の定め

      2017/10/17

団地型マンション、いわゆる「団地」は、昭和40年代頃から公団や住宅供給公社などによって、同じ形をした5階建ての共同住宅が、数棟から十数棟単位で建築・分譲されてきました。

私も子どもの頃、団地に住んでいたので、その頃の思い出は今でもうっすらと覚えています。

最上階の5階に住んでいたため、見晴らしは良かったのですが、当然のようにエレベーターがなかっため、上り下りは大変だったと思います。

特に大変だったのが、今からちょうど40年前、福岡市が大渇水に陥った昭和53年。

ウィキペディアにも載っていますが、昭和53年5月から翌54年3月まで実に283日間にわたって断水が続きました。

小学生だった私は、学校から帰ると、夕方くらいにやってくる給水車から水をもらって、5階まで運ぶのが日課になっていました。思えばこの階段の上り下りで、ずいぶん足腰が鍛えられていたのではないかと思います。

団地の思い出はこれくらいにして、今回からは建築から40~50年が経過した団地型マンションを管理の面から考えてみたいと思います。

1.団地建物所有者の団体

(1)団地の要件

「団地」という用語は、法律上定義されているものではありません。

一般的に私たちが使う「団地」とは、

多数の建物が、同じ敷地内に存在する場合に、それらの建物と敷地を総称するものとして用いられています。

これに対し、区分所有法(マンションの法律)65条では「団地」が成立する条件として、次の2つの要件を満たすものとしています。

① 1団地内に数棟の建物があること。

※この「数棟の建物」は、区分所有建物であっても、それ以外の建物*1であってもよい。

② その団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)それらの建物の所有者(専有部分のある建物にあっては、区分所有者)の共有に属すること。

*1 それ以外の建物とは、一戸建て住宅や賃貸マンション(マンションの所有者が一人)などをいいます。

 

国土交通省「団地型マンションの再生マニュアル」より

(2)団地建物所有者

① 団地建物所有者の団体

1団地内の数棟の建物の所有者のことをまとめて「団地建物所有者」と呼びます。

この「団地建物所有者」は、通常の1棟マンションと同様、

全員で、その団地内の土地、附属施設及び専有部分のある建物の管理を行う団体を構成し、区分所有法の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができます。(区分所有法65条)

② 団地管理組合と棟別管理組合の併存

団地建物所有者は、全員で「団地管理組合」という団体をつくり、そこで団地内の区分所有建物や土地及び附属施設を管理することになります。

そして、少しややこしいのですが、

じつは、団地全体の管理組合(団地管理組合)とは別に、棟ごとの管理組合(棟別管理組合)が法律上、併存しています。

これは、義務違反者に対する措置や、建物の復旧や建替え等の一定の事項について、その棟の区分所有者だけで決めるよう区分所有法が規定しているので、そのために棟の管理組合が存在することになっています。

いくら団地といっても、その棟だけの問題ならば、その棟だけでまず意見をまとめなさいということです。

2.団地の管理

(1)建物の区分所有に関する規定の団地の管理への準用

区分所有法は次の3つに大きく分けられています。

  • 第1章 建物の区分所有
  • 第2章 団地
  • 第3章 罰則

第1章は、1棟の区分所有建物(マンション)についての規定です。

この第1章の規定の多くを、「第2章 団地」 の管理に準用しています。

準用されない規定は、棟別管理組合で決めなければならない事項ということです。

(2)団地管理組合に準用されない規定

敷地利用権 法22条~24条
義務違反者に対する措置 法57条~60条
復旧及び建替え 法61条~64条
規約共用部分 法4条2項
規約敷地 法5条1項
共用部分の管理所有 法11条2項
共用部分の持分の割合 法14条4項

※法・・・区分所有法

3.団地共用部分

(1)団地共用部分

1団地内の附属施設たる建物は、団地の規約によって「団地共用部分」とすることができます。(区分所有法33条1項の準用)

つまり、別棟の集会室や倉庫などを規約によって、団地の共用部分(共に使用する部分)にすることができるということです。

団地共用部分は、団地建物所有者全員の共有(共に所有する)に属します。(区分所有法11条1項の準用)

4.団地規約の設定の特例

(1)団地規約の設定等

団地規約の設定・変更・廃止は、団地建物所有者及び議決権の各3/4以上の多数による団地集会の決議によって行われます。(区分所有法31条1項の準用)

(2)規約の設定の特例

① 団地規約による団地内建物の管理

団地管理組合は、団地建物所有者全員の共有に属する団地内の土地・附属施設を当然に管理します。

ただし、全員の共有ではない物についても、団地規約に定めることによって、団地管理組合が管理することができます。(区分所有法68条1項)

(ア)団地内の一部の建物所有者の共有に属する団地内の土地・附属施設

(イ)団地内の専有部分のある建物

② 団地規約による管理対象物からの除外手続

団地規約で、前期①に掲げる団地内の土地、専有部分のある建物等を団地管理組合が管理するものと定めたときは、

その団地規約を変更・廃止しない限り、団地管理組合の管理対象物から除外して、その棟の管理組合が管理することはできません。

 

今回はここまでです。

団地の管理について、区分所有法の大枠をまとめましたが、なかなか理解しづらいですよね。

実際の団地管理組合の運営はもっと生々しいものですが、法律の規定がどうなっているかを知ることは大事なことだと思うので、次回もぜひお付き合いください。

※参考文献 公益財団法人マンション管理センター「マンション管理士法定講習テキスト」

 

 

 

 

 

 

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